革靴に興味を持ち出すと私生活では触れることのない言葉がたくさんありますよね。
本記事は革靴の内羽根式、外羽根式の違いや特徴をまとめています。
理解することで、多くのことっていうのは覚えやすくなり、生活に落とし込むこともできますよね。
内羽根、外羽根というのは靴の構造を表す言葉であり、
本格革靴を手に入れるはじめの一歩に選ばれる靴の多くは
どちらかに当てはまるはずです。
もちろんそれ以外の革靴もたくさんあるので、興味がわいたらどんどん革靴沼にハマりにいきましょう!
さて、この記事を開いていただいている方は
‘内羽根ストレートチップ’とか
‘外羽根プレーントゥ’とかって言葉を耳にして
なんだいそれは?となったのではないかと思います。
まずは、、
内羽根ストレートチップ=’内羽根式の’ストレートチップ
外羽根プレーントゥ=’外羽根式の’プレーントゥ
このように整理しましょう。
革靴の種類を分ける際に大枠にあるのが羽根式です。
よって、外羽根式のストレートチップもあるし、
内羽根式のプレーントゥもあるよ、ということです。
さっそく内羽根と外羽根の見分け方を見てみましょう。
靴の羽根ってどこよ?
シューレース(靴紐)を通す穴を備える部分を『羽根』といいます。
同時にレースステイとも呼ばれます。
こっちはピンとくる方も多いかもしれませんが
レースステイ=羽根ですね。
『内羽根式』『外羽根式』というのはその『羽根』が
内側か?外側か?ということなんですね。
その比較対象となるのがヴァンプというパーツになります。
ヴァンプは履き皺の付く部分を構成する革です。
靴の甲の革です。
内羽根がヴァンプの下(内側)に羽根がついている。
外羽根がヴァンプの上(外側)に羽根がついている。
ということになります。
お気づきかと思いますが、説明に出てきた写真は内羽根式の靴です。
もう簡単でしょうがないと思いますが、
百聞は一見にしかずということで内羽根式と外羽根式の靴を見比べてみましょう。
内羽根の靴、外羽根の靴
Maker : Edwardgreen(エドワードグリーン)
Model : Chelsea(チェルシー)
内羽根式です。
次にこちらを見てみましょう。
Maker : Alden(オールデン)
Model : 54321
これが外羽根式です。
パッと見て内羽根式の方がスマートに収まっている感じがしますよね。
それに比べて外羽根の方は無骨な面持ちです。
ビジュアル的に違いがわかるとファッションへの取入れも意識が変わってきますよ。
それぞれの特性や歴史を簡単に説明していきます。
内羽根式のルーツと特徴
内羽根の構造は1853年にイギリスのヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公が考案したミドルブーツがルーツといわれています。
英語圏だとBalmoral(バルモラル)
フランスではRichelieu(リシュリー)
イタリアではFrancesina(フランチェジーナ)と呼ばれるようです。
羽根の部分が全開しないので、外羽根の靴と比べると見た目重視の革靴といえ、フィット感の調整を紐で行うことに関しては劣ります。
しかしながら見た目の清楚さから、礼装用や室内執務用の靴としては適しています。
冠婚葬祭やかしこまった場で、品格を問われる際に向いていると言えます。
外羽根式のルーツと特徴
外羽根のルーツは戦闘用のブーツです。
1815年ワーテルローの戦いで、プロセイン王国のブリュッヒャーという元帥だった人が作らせたようです。
ナポレオンを破ったし外羽根のルーツを作ったしで
やべぇひとですね(語彙力)
アメリカではブリュッヒャーの英語読みBlucher(ブルーチャー)と呼ばれ、
羽根の形状が競馬のゲートに似ていることから
ヨーロッパ諸国ではDerby(ダービーとかデルビーとか)呼ばれています。
長所としては
羽根が全開するので、着脱がしやすく微調整が効くので
長時間の着用時も比較的疲れにくく、アクティブな場での着用に向いている
ということが言えます。
まとめ
モノのルーツや特徴を知るとTPPOに合わせた身嗜みというのがはかどりますよね。
『外羽根式は羽根がヴァンプの上にあり、アクティブかつカジュアル向き』
『内羽根式は羽根がヴァンプの下にあり、清楚でフォーマル向き』
見たらどちらかわかるという方は少なくないですが、いざ説明すると小難しかったりしますよね。
小話にももってこいです。
そんな情報を持って普段会う人の靴を見ると新たな見方というのも持てたりします。
カジュアルで緩いシルエットを内羽根の革靴で引き締めたり、ジャケット羽織ってるけどデニムパンツに外羽根の革靴で無骨な印象にしたり、、
ただまぁ、一般的にそういうルーツがありますよということで、結局は好きな靴をこだわって履いてるとかっこいいし見る人には伝わると思っています。
つまり、最終的には好きな靴を好きに履いていいと思います。
でも、知っているのと知らないのでは装いが違いますよね、、ということです。
底無しの革靴の魅力。今回はこんな感じです。